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床板に立つと

桜の便りがあちこちから届き始めました。
秦野の山々も柔らかい色合いでにっこり笑っています。今日は渋沢公民館で練習です。
次の本番まで1ヶ月を切り、穏やかな風景とは対照的に、熱のこもった時間でした。


本番が近くなると練習は、音楽室ではなく広いフローリングの部屋(大会議室とか多目的室などという)で行います。
部屋全体に広がって半円形に並び、楽譜も閉じてまっすぐ立ちます。そうすると、横並びでは見えにくい他のパートの顔も、いつもより見えるようになります。

そんな中で、先生は今日もいいことを教えてくださいました。
「私がきれいに見えるように」ではなくて、「他のみんながきれいに見えるように」と思いながら歌うこと。

例えば、和音をハモって伸ばす音の時に、そういう心掛けがはっきりと表れるそうです。
ついつい、自分の発声や音程ばかり気になってしまうけど、それだけではないんだなあ…

フローリングの部屋での練習を重ね、表現の指導が細部にわたるにつれて、先生と私達とで囲む半円の中の床板に、歌の情景が浮かんでくるように思うことがあります。
歌っているのは「のはらうた」。たんぽぽやあおぞらが野原で歌う、やさしくて素直な言葉が心に温かいものを運んでくれる歌です。(今度またお話しします!)


さて、この次の練習、そのまた次と段々に、この床板の上に広がる野原が見えてくるでしょうか。楽しみです。