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歌のウは宇宙のウ

本町公民館で練習がありました。いつもと違う、12時30分からスタートです。
メゾソプラノの皆さんは、この機会にランチ会をしたそうです。いいですね!


ランチの後というと、眠たくなりがちな時間です… でも先生は、いいことを言ってくださいました。

いつもと違う時間だけど、合唱祭や演奏会で、午後にしっかり歌う場合の練習にもなる。
考え方ひとつで、午後の練習時間はとても有意義なものにできそうです。スゴイ!

いま練習している曲は、合唱組曲「こころに地図をひらいたら」(詞:覚 和歌子 曲:信長貴富 (株)音楽之友社 2011年)からの曲です。
この組曲は、少年少女合唱団のために作られたのですが、詞や曲調にとても深みがあって、私達も気持ちを重ねることができます。たとえば「十字路」という曲の歌い出しは、こんなふうです。

出会いがしらで 好きだと思った
うれしくて手をつないで だまりこむ
出会った理由は 知らないけれど
知ってる気がする あなたのこと

 

大人の心にもじわりと響きます。

作詞の覚先生は、楽譜集の前書きで、「子どもが外に向かって三次元領域を広げていく一方、心の内側へ、存在の中心へ向かって掘り下げていく精神宇宙」という表現をされています。

 

そういえば、心理カウンセラーとして長く活躍した河合隼雄さんも、心の「宇宙」のことを書いていました。(河合隼雄「子どもの宇宙」 岩波書店 1987年)

 

この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。それは無限の広がりと深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされて、ついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。

(中略)

子どもたちの宇宙からの発信に耳を傾けてくれる大人を見出したとき、子どもたちは生き生きとした言葉で、彼らの発見について語ってくれるのである。


無限に広がる、子どもの内なる宇宙の歌。
今日は初めて「十字路」を通して歌い、その宇宙観をちょっと体験できたように思いました。
演奏の課題はまだまだたくさんあるけど、また1つ、曲を通して新しい世界が見えそうです。

…というわけで、眠くなる閑なんて、全然ありませんでした。また来週です!